第一章


     目覚めると誰もいなかった。
     しかしそれはよくあることだった。
     両親は仕事が朝早く、平日の朝ごはんは
          いつも一人で食べている。
     その日もいつものように一人でご飯を食べ、
     制服に着替えて外に出た。

     どこまで行っても誰もいなかった。

     大通りに出ても車さえ通っていなかった。
     なぜ、どうして。
     とてつもない混乱が襲い、意味もなく早足になる。
     途中でよく使うコンビニに入ったが、
     やはりそこには誰もいなかった。
     こんなの盗んでくださいと
     言っているようなものじゃないか。
     ふとレジに目を向けると何かメモのようなものが
     置いてあった。
     「何これ?」
     そこにはこう書かれていた。


   

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